国内株 coly 銘柄分析 4175

女性向け恋愛ゲームの開発・運営会社colyの概要

colyは2014年2月に創業されて、2022年6月現在でまだ8年目の若い会社である。

創業から1年後の2015年3月に恋愛ノベルゲーム「ドラッグ王子とマトリ姫」をリリースする。

以後、順調に作品数と売り上げを伸ばして2021年2月に上場した。

ゲームシナリオに定評があり、Twitterやアプリのレビューを観測するとシナリオが誉められていることが多い。

ゲームに関しては最新作である「&ゼロ」をプレイしてみた。

探偵をするメインストーリーの合間に、各キャラクターたちと仲良くなってそれぞれの個別のシナリオを見ていくのがゲームの流れである。

探偵の捜査部分がミニゲームとなっており、いくつかの円形のグラフの周りにキャラクターがフヨフヨしており、グラフのところをタップするとゲージが溜まり、1つのグラフのゲージがいっぱいになると捜査が進むようになっている。

キャラクターが沢山いるグラフのところをタップすると沢山ゲージが溜まる。おそらく、レアリティ・レベルが高いキャラクターがいるとゲージが沢山溜まるようにもなっているはず。

ゲーム部分としては全くのこれのみであり、ゲーム性は皆無である。ゲーム性を切り捨てて、シナリオとキャラクターの魅力で勝負していると判断する。

過去の作品はパズルゲーム要素が入ってたりするので、それらで試していった結果、おそらくゲーム部分はあまり重要ではないと考えているのではないだろうか。そうでなかったら、この作りで良しとする訳が無いという内容にはなっている。

ガチャ演出というやつも割と地味で、他の女性向けソーシャルゲームを未プレイのため分からないが、射倖心を煽るような作りではないと感じられる。(良いことでもある)

正直、シナリオに関しても私自身は今のところ良い出来だとは思えない。私は成人男性であるので、私向けではないというのは確かであるが、主人公が主張しすぎると感情移入できないためか印象が薄めに作られており、個性豊かで魅力的なキャラクターだったらばこの主人公には惚れないのではないかと思ってしまう。

会社の話に戻る。

上場前に大きな投資を受けずに伸びてきたため株が全然希薄化しておらず、社長・副社長で合わせて60%以上を保有している。

そのため、社長・副社長の判断が経営上でかなりのウェイトを占めることになる。

上場して伸ばしていかなければいけないこれからのフェーズは、さらに経営陣の手腕が問われることとなりそうだ。

colyの業績の分析

2022年1月期第2四半期分野別収益

colyの事業はモバイルオンラインゲーム事業と、マーチャンダイジング事業の二つがある。

オンラインゲームで作った自社IPのグッズ販売、コラボカフェ等をマーチャンダイジング事業で行うという感じだ。

オンラインゲームで育ったファンがグッズを買ってくれると考えると、マーチャンダイジング事業が売上の1/5にもなっているのはファンが良く育っていると言えるだろうか。

colyが強みとしてあげているのが、開発部門の内製化の重視である。これによって開発ノウハウの蓄積とコスト削減が狙えるとしている。ノウハウの蓄積に関しては、開発プロセスなど多くが社の文化になって残りうる蓄積物だと感じるが、それをコスト削減と同時にあげている点はいただけない。

開発陣がこのIRを見たときに、コスト削減のために内製化してることを知ったら、会社へのロイヤリティは薄れるのではないか。内製ならば人件費を安く抑えられる、と言われるのは労働者側からすると腹の立つ話ではないだろうか。面白いものを作ることをビジョンにしているのならば、その面白いものを作れるクリエイターに対して報いる姿勢みたいなものを出していく方が望ましいと私は思う。

平均給与で見ても競合のボルテージ(507万)などの他社数社と比べて最も低い金額(430万)になっていて、ゲームを作り出せる人材もこのままでは他社に引き抜かれそうである。ノウハウ自体は人に身に付くもので、会社がそれを保持し続けるには、育った人材を保つための文化や報酬であると考えるので、この辺りは手厚くして欲しいものである。

株価的に一時は10,000円近くまでつけたことがあるが直近はその1/5ほどになっている。新作ゲーム発表が延期されたことで売上が思ったより伸びず、販管費が増して先行きが不透明なのと、経営陣が株価の値下がりについてあまり頓着してなさそうなことからずるずるといっている感じだ。

colyについてのまとめ

ゲーム市場は伸びていて、女性向けのゲーム市場はその中でもより伸びている市場である。

自己資本を主として上場まで漕ぎ着ける経営陣のゲーム作りと組織づくりの手腕と能力が評価できそうだと考えている。

かなり売り込まれている割には14億も利益が出ていて、市場からの未来への期待みたいなものがかなり薄れている銘柄だと考えられる。少しだけ買ったのだが、買った理由としては上記のことに加えて、売り出した新作ゲームが当たる可能性は十分あって、そうなった場合のは利益はかなり向上するはずだと考えている。

ゲームをやった感想と、社内体制に対する漠然とした不安みたいなものが自分の中ではマイナス要因になっている。経営陣3人しか基本的に社内で株を持っている人間がいなさそうなので、社員的には給料くらいしか目当てにできない。しかし、それも低いとなると人事関連はテコ入れが必要そうに思う。経営陣に人事畑の人がいないのも、ここに関しての不安要素を増大させる。

配当もないため、グロースすることをお祈りするだけの銘柄なので期待の持てるリリースをガンガン打って欲しい。

こういう感じで自分の中で賛否が色々な点であるので、全力で買うわけではなく様子見程度の量を買っておいた。5年後くらいに期待する。

colyの損切り

colyを損切りした。第一四半期に続いて第二四半期も赤字で、新しく出したゲームの「&ゼロ」はやはりゲーム性が低すぎるというTwitterでの指摘があり、正直ビッグタイトルにはならなそうで自分の想定していたストーリーとはかなり違ってしまった。

2000円台で買っていたので早めに損切りすればよかったのだが、襟川さん信者のガチホ勢なので損切り行為に慣れていない私は落ちていくナイフを掴み続けて血が出るのをずっと見ていた様子だ。(ダメトレード)

リアル店舗でのグッズ販売に力を入れる想定になっているが、タイトル自体がヒットしないとグッズが売れないというのは明白であり、&ゼロは難しそうな気がする。アニメ化からのゲーム化をする「永久少年Side Project -トワイライトなスピカ-」が当たれば話は変わってきそうだが、まずアニメがヒットすることが不可欠でその後2023年にゲーム化らしく、自分が当初立てていた「乙女ゲーム作りを分かっているから新作も当てられる」という予測は外れてしまっているので、ここでの損切りをしようと決意した。

幸い100株しか買ってなかったので、傷は浅いと言いたい。前述のアニメ等がヒットするようだったら、またインするかもしれない。

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