日本株 株式投資 イオンモール 8905 銘柄分析

イオングループの中核、ディベロッパー事業、ショッピングセンターの開発運営を行うイオンモールの概要

イオンモールは日本全国だけでなく、中国、アセアン合わせて200施設を展開している。

海外では中国とベトナム(今後の経済成長と人口増加が見込める)に力を入れていて、2025年度までに両国合わせて50店舗の展開を目指している。(2019年度末で30店舗を出している)

他にもインドネシア、カンボジア、ミャンマーにも出店している。ミャンマーは政情不安があり、軍事政権下であるためプーチン政権のロシアが今こういう現状である中特にリスクが高そうに感じられてしまう。

横道に逸れた話だが、現社長の岩村康次という人は2020年3月のコロナ禍に入りたてに社長に就任したようだ。超ハードモードでニューゲームである。

コロナ禍において賃料の減免を行なったようで、そういった姿勢はテナントの心を掴んだに違いない(と思いたい)。

利益モデルとしては、モールの営業原価が不動産コストであるため一度建ててしまえばその後のコストは一定額(固定資産税や修繕積立費用等々)であり、反対に収入は歩合家賃収入でありモールが活性化すればイオンモール側も儲かるようになっている。

また、集客力が高いモールであることがわかれば、賃料改定時に高めに設定できるためモールを出店する前段階の調査と立地、どれだけお店を集約させて客を呼べるモールを作れるかが肝になっている。

また、国内ではモールだけではなくオフィス複合型施設やアウトレットなど新たな形を事業ポートフォリオに加えている。

ESGの取り組みとしては2025年までに全モールの電力を再生可能エネルギーに転換する目標を立てている。

日本の大企業にしては珍しく、社外取締役ではなく取締役の中に女性がいる(1人だけだが)。少なくとも一人、女性で社内の階段を登りきって取締役に到達することができたというのはいいことだと思う。

大抵、社外取締役に女性を入れて数を誤魔化している。それは、管理職比のような目標を到達するための見栄え上のものであるのと、男女問わない出世をできる仕組み自体がそもそもその会社で準備されていなかったことを意味する。

また、元々ダイエーの子会社であったOPAをイオンモールが吸収合併してOPA事業も手がけるようになった。(ダイエーは元々イオンの子会社)店舗の誘致や、施設のリニューアルなど今後に期待したい。

イオンモールの業績の分析

2020年2月期~2022年2月期の売り上げと当期純利益

コロナの影響で、中国の武漢にあるモール3つは2020年1月から閉めていたなど、かなり最初期からコロナの影響を受けていた。

2021年2月期はモロにコロナの影響を受けていたので、18億6千4百万円の赤字となった。

2022年2月期においては、2020年2月期(コロナの影響を受けていない)との比較では、営業利益は62.9%、当期純利益は56.3%まで持ち直している。

中国事業では、短期間で政府によるコロナウィルスの封じ込めがうまく行っていたこともあり、モールの売り上げはコロナ前の期と比較しても伸長している。(105.3%の成長)

ASEANでの事業は、ベトナム・カンボジアではロックダウン、インドネシアでもモールへの入場者数制限や休業で営業収益・利益ともにコロナ前の期と比べると減少している。

日本では、オミクロン前は自粛ムードの緩まりなどから段々と消費行動が改善されていたようだがオミクロンの登場により再び落ち込み、やはりコロナ前より収入は減少している。

モールやショッピングセンター事業のような、人を集めて「密」にすることでお金を稼ぐ形態は非常にコロナ禍で厳しかったと思う。地方にある大型のモールであったりすると、都市型のデパートと比べると吹き抜けがあったりして開放感があるから多少はマシなのかもしれないが、それでも数は減るということか。

今後、国内でのパイの伸びが期待できないため海外でどこまで多く出店して効率的な店舗運営、利益体勢を築けるかがますます鍵になってきそうだ。特にベトナムやインドネシアなど人口の伸びがあるところで存在感を大きくできるかは重要そうだ。

イオンモールのまとめ、評価

イオンモールは既に優待目当てで株を少し持っている。

持ち続けるかどうかは、優待がどうなるかというのと優待を持っているより売ってしまう方が割がいいくらいまで上がるかどうかで決めようと思っている。(買った値段から+4~5万円くらいを見ている)

そうでなければ、イオングループのお店が近所にあるので優待の3千円の商品券をグッと握りしめて寝ているつもりだ。

今回調べたのは、一応どういう目論見を持って運営されているのかの確認と勝ち筋がどんなところにありそうなのかをざっと確認すること、現状はどういう規模感と状態なのかを見たかったためだ。

日本の中で考えると、人口がガンガン減っていることから消費自体を上向けるには本当に政治で人口を増やすようなことが必要であり、企業努力だけで日本の中で利益幅を上げていくのは至難の技である。業務効率化でコストを落とす、買収により規模を大きくしたり、既存の産業を食い尽くすようなイノベーションを起こすといったことくらいしかなさそうである。

なので、海外事業展開の動向を見つつやはり優待を握りしめていようと思う。

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