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アムコア、非紙製容器・梱包材の会社

アムコア・リミテッド (Amcor Limited) は、オーストラリアに拠点を置く、包装事業の多国籍企業。 おもに食品、飲料、医療、たばこ産業などに、柔軟で厳重な包装を提供している。 アムコアの製品は、食品、飲料、医薬品、医療機器、身の回り品、家庭用品、パーソナルケア製品などを保護している。 引用元:アムコア・リミテッド (Amcor Limited) Wikipedia

オーストラリアの企業で現在はスイスに本社を置いている。

プラスチック製の包装や、ボトルなどの製造をしている国際的な企業である。

アムコアの業績の分析

2021年のアニュアルレポート があったので今日はこちらを見ていく。

最初のセクションは業績が好調だと説明している、この辺りは後で見ていこうと思う。

CVCを作って小ロットデジタル印刷のリーダーであるePac Flexible Packaging社に投資した。

また、ミシガン州立大学のパッケージング学部とパートナーシップを確立しているようだ。パッケージングについて学ぶ学部があるのか、学問の幅は広い。

セグメント別売上グラフ

フレキシブル包装が大半を占めている。食品や飲料、シャンプーのビニール包装の曲げられるような材質のものが含まれている。

残りが硬質包装でこちらにペットボトルなどボトルやコンテナタイプの容器が含まれる。

プラスチックと言われるとペットボトルな気がするが、このグラフ同様にペットボトル以外のあらゆるところの便利な包装材としてプラスチックが使われているのがわかる。

地域別世界売上高

北米が半分近く、西ヨーロッパが24%で新興国が26%と世界各国にバランスよく進出している。

世界全体で売り上げられているということは、反面これから新しい市場に進出する余地が少ないとも言える。

実際フレキシブル包装の工場は175ヶ国にある。そのため、この事業においてこれからどんどん新しい国に進出することは難しそうである。

硬質包装の方は50ヶ国に工場があり、こちらは前掲のフレキシブル包装で進出した国に進出していくことで売上を増やせそうである。

信用度がどこまで高いかは各々で判断して欲しいが、硬質包装の世界市場自体2028年まで伸びていくというレポート もあるようだ。

アムコアが焦点を当てているポートフォリオの特徴として

  • 動きの速い消費財の一次包装(動きの早いというのは、製造されてから使用・廃棄されるまでの間隔の速さ)
  • 業界構造が優れていること。(利益がでやすい構造になっている)
  • 魅力的な相対的成長(他社や世界全体と比べて相対的に成長率が高いこと)
  • リーダーとしての地位、規模、イノベーションによる製品提供の差別化能力を通じて、当社が勝利するための複数の道筋(コストリーダーシップ戦略)

これらを挙げている。ポーターのコストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の全部をやっている。(ということにしている)

プラスチックといえば、マイクロプラスチック問題が気にかかる。使用される量は増えているが、批判を浴びやすい材質である。

アムコアでは、過去2年間でフレキシブル包装に使うリサイクル材の使用量が2倍になってさらに1年後も倍増していく予定のようだ。

倍増と言っても、元の量が相対的に少なければあまり意味をなさないのでこの表現はビジネス的詭弁というやつである。

ただ、リサイクルしやすい製品等を作る企業努力はしているようなので期待したい。

2020年~2021年の売上と純利益

2020年の売上高が12,468百万ドル!で純利益が612百万ドル、2021年の売上高が12,861百万ドルで純利益が939百万ドルでほぼ売り上げが伸びた分だけ純利益が伸びている。

べミス・カンパニーという会社を2019年に買収したのがコストシナジーになっていると報告している。

2021年度に3億5,000万ドルの自社株買いをして株式総数を2%減らし、2022年度も4億ドルも自社株買いを行なうとしている。

株価が大体同じくらいだとすると、2.3%程また株式総数が減ることになる。かなりの株主還元になる。

自信満々に見えるので、アニュアルレポート内のリスクファクターに何をあげているのか気になる。

消費者の需要の変化や業者が他社に切り替えたり、自社で製造するようになる可能性、景気の後退、など割と一般的な内容が挙げられる。

個別の債権の話に触れるケースは昨日分析したDropbox ではあったが、そういうケースは特殊なのかもしれない。

会社の存続に関わるようなケースでしか、特殊事例には触れないということか。

評価・まとめ

配当も4%台と高く、かなり魅力的だと感じた。

プラスチック包装自体は正直、中長期的には別の形になって言って欲しいとは思っているが当面は無くなりそうにない。

私としては、プラスチックから新しい素材に切り替わるか何かしてどこかのタイミングでプラスチック製品が世の中から姿を消していくはずだと考えている。

しかし今までの人生を振り返ってみると、プラスチックを使う製品の量は減るどころか増えている。

個人的にはマイクロプラスチック問題が気にかかっていて、ここにお金を入れるとそこに対しての問題意識と板挟みになってしまうのがネック。技術開発でなんとかできるならして欲しいところである。

紙包装のポテチなどが日本で出てきているが、ああいうのをガンガン進めていくべきだと考えている。

包装と言っても色々あって、段ボールも包装だし発泡スチロールも包装である。

包装業界に投資すると言っても、どの種類にお金を入れるかで未来が変わっていくと考えている。

個人的には段ボールが優秀だと思う。プラスチックよりも将来的に長く使われるはずだ。

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