米国株 株式投資 バルカン マテリアルズ VMC 銘柄分析

バルカン マテリアルズ アスファルトと生コンクリートの製造業者

アスファルトの道路は相当の技術革新が起きない限り、なくならないのではないか。

そういう思いがあるのと、インフラのありがたみを日々感じるのでこういう縁の下の力持ち的な企業は好きなのである。

バルカン マテリアルズは、ニュージャージー州にある法人で建設用骨材(主に砕石、砂、砂利)の全米最大級のサプライヤーであり、アスファルト合材および生コンクリートの主要生産者である。

バルカン マテリアルズの業績・現状分析

今日もForm 10-Q を見ていこうと思う。

主に米国で事業展開していて、米国外以外ではメキシコのキンタナ・ロー州およびカナダのブリティッシュ・コロンビア州で事業をしている。ほぼ米国内に事業基盤があると言って差し支えなさそうだ。

力点を置いているのは、人口、世帯数、雇用の大幅な増加が見込まれる米国の大都市圏の市場とのことだ。

ここでいう大都市圏とはカリフォルニアやアラバマ、ニュージャージー州やニューヨーク州などである。

これらの大都市圏で、建設需要が下がるとバルカン マテリアルズは悪影響を受けることになる。

セグメント別売り上げ

建設用骨材の売り上げが72%と売り上げの大部分を占めている。アスファルト、コンクリートが13%ずつ、残りをカルシウムが埋めている。

セグメント別営業利益

営業利益となると、さらに建設用骨材がそのほとんどを占めていて94%が建設用骨材の利益となっている。骨材は砂利とかのことなので、砂利を売って(砂利だけじゃないけど)馬鹿でかい企業になっているかと思うと、オールドエコノミーはやっぱり胸熱である。

2021年6月にU.S. Concrete, Inc.を1,634,492千米ドルで買収している。これによってカナダのブリティッシュ・コロンビア州への事業進出を果たしているようだ。

この手の事業は規模の経済によってコストダウンを図れるのと、寡占が進んだ方が利益が出やすい傾向にあるのでキャッシュフローが悪化し過ぎない限りはポジティブに感じられる。

骨材は重量と価値の比率が非常に高く、ほとんどの場合、使用場所の近くで生産されなければならない。そうでなければ、輸送コストが材料よりも高くなり、地元で生産された材料と比較して競争力を失うことになりかねないとしている。

Aggregates have a very high weight-to-value ratio and, in most cases, must be produced near where they are used; if not, transportation can cost more than the materials, rendering them uncompetitive compared to locally produced materials. 引用 Form 10-Q 28P

例外は高品質の骨材で、はしけや鉄道・船団によるコスト効率の高い長距離輸送に頼れる場合のみである。

先ほどもあげたように、買収によって規模が大きくなるとメリットが大きい事業だと考えられる。

大きな船、大規模な輸送で一度に運んで保存できるのであれば輸送の1単位あたりのコストが安くなる。

また、原料が骨材であるアスファルト合材や生コンクリートなどの川下製品との統合によって財務利益率を高めようという動きもある。

骨材は、重量でアスファルトミックスの約95%、生コンクリートの約80%を構成しているのでアスファルトやコンクリートを占めるそのほとんどが骨材であると言える。

そのため、原料が骨材である製品を販売する川下の製品を販売する会社を購入することで 製造から販売まで自社で行うことができる。これがコストカット並びに利益の向上につながる。

反対に、川下との統合によって骨材が他の用途で販売した方が利益がいい場合があっても 子会社に売らなければならなくなり、利益率を圧迫することも考えられる。(あまりなさそうではある)

原料の使い道が決まっていて、売り先も決まっていれば資産の回転率が高まるから利益率の改善は期待できそうだ。

直近の先行きとして、1956年の州間高速道路制度創設以来、連邦政府による最も大規模なインフラ投資が行われる見込みをあげていて(バイデンのインフラ投資)

これによって、さらに利益をあげられる見通しを立ている。

9ヶ月間の売り上げと純利益

売り上げは買収もあって、伸びている。利益が売り上げの13%で思ったより建設資材の業界は利益出るんだなあという印象である。

配当は0.7%台と結構渋めである。インフラ投資の特需でなんとかならないか。

評価・まとめ

道路の原料を作っている会社と考えるとかなり熱くなる。

建設需要が落ち込むと煽りを受けるが、家だけではなく道路やインフラ設備にも使われているので景気が落ち込むことで倒産するほど高いリスクがあるとは思えない。

将来に関してもそんなに悪くない展望だと思うが、配当が渋いので様子見したい。

もう少し株価が落ち込んだりして相対的に魅力が増したら買ってもいいと思っている。

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